梅毒は梅毒トレポネーマと言う病原菌の感染によって発症する性感染症の一つです。
1993年以降は、20年にわたって総患者数が1000人を下回っており、ほぼ過去の病気として認識されていました。

ところが2003年に再び1220人と上昇し、2017年は44年ぶりに5000人を突破し、5770人を記録してしまいました。
そして2018年に至っては、1月1日から12月23日までの間の患者数は6782人と、更に増え続けています。
若い医師の中には、実際の患者さんを見たことが無い人も少なくありません。
そのため、性器や皮膚に症状が無かったために扁桃炎と診断されたが実は梅毒だったというケースもあります。

たった1回の性交渉でも感染してしまう確率が15~30%と高く、性交やオーラルセックスだけではなく、ディープキスでもうつる可能性があると言われています。
感染後3週間で小豆くらいの大きさや指先程の大きさの硬いシコリができますが、自然と消えるので気に留めないこともあるかも知れません。
ところが感染から3ヶ月ほどすると、皮膚や粘膜に発疹が出ます。
梅毒による咽頭炎はこの頃が多いです。
そして3年経つと、ゴム種と言って皮下や骨や肝臓に肉芽腫性の炎症が起こってきたり、赤銅色の結節が顔に多発するようになります。

関東地方の某大学の医療センターでは、梅毒と診断された27人のうち、性器に症状があった人は1人だけで、発疹があった人は5人でした。
残りの21人は咽頭痛という訴えがあってからの受診です。
患者さん本人は、性器の症状や皮膚症状も無かったため、まさか梅毒だとは思ってもいなかったようです。
扁桃炎のような症状は抗生物質を服用すると症状は消えますが、完治したわけではありません。

近年、若い人の間で梅毒が急増しているということを知っておきましょう。
若い人にとっては、性交渉の相手が不特定多数だったり、性行為の低年齢化などファッションとなっています。
これらはたびたび問題とされますが、それに伴って性感染症も増加しています。

万が一梅毒が疑われた場合はどうするべきか

梅毒の検査は、採血をして血液検査で梅毒の抗体を調べる方法と、皮膚や粘膜から梅毒トレポネーマを検出する方法があります。
通常、医院での検査では採血をして調べる方法が一般的です。

治療は、ペニシリン系をいう種類の抗菌薬を4週間から8週間ほど服用します。
抗体の検査で体内の菌が完全に消滅したことが確認できるまで、これらの治療薬を服用します。
症状が良くなったからと言って、自己判断で治療薬を飲むのを止めてしまうと、菌が完全に死なずに生き残ってしまいます。
生き残った菌は、体内で変化して薬が効きにくくなる耐性菌を作る原因にもなるので、処方された薬は最後まできちんと服用しましょう。
もし飲み忘れていることに気が付いた場合、例えば朝の7時に飲むはずなのに、9時に飲み忘れていることに気が付いたのであれば、その時点ですぐに飲んでください。
ただし、次の服用時間が1時間後などと近くなっている時には服用せず、2回分をまとめて飲むようなことは止めてください。

ペニシリン系抗菌薬には、ビクシリンやアンピシリン、ノバモックスやアモキシシリンなどがあります。
ビクシリンやアンピシリンやノバモックス、そしてアモキシシリンなどのペニシリン系の抗菌薬は薬価も安く、比較的副作用も少ない治療薬です。
しかし、中にはペニシリン系抗菌薬に対してアレルギーを持っている可能性もいるので、かゆみや発疹など、服用中に何らかの異変を感じた場合は、処方した医師や薬剤師にすぐに連絡してください。

処方された時点で、他の病気の薬など、服用中のものがある場合は、ペニシリン系抗菌薬と飲み合わせの悪い薬もあるので、お薬手帳を見せるなどして必ず担当医に伝えましょう。
治療中の持病がある場合も同様に、必ず担当医に告げてください。